最終更新日:2026年7月26日
iDeCoの資産を受け取るときは、一時金・年金・併用のいずれを選ぶかで税務上の扱いが変わります。勤務先の退職金、企業年金、公的年金、他の所得、これまで受け取った退職手当等との関係も影響するため、「一時金が得」「何年ずらせば非課税」と一律に決めることはできません。
受取時期が近づいたら、加入期間、iDeCo残高、退職予定、退職金の見込み、他の年金収入を整理し、加入先の運営管理機関と国税庁の最新案内を確認しましょう。
受取前に確認する5項目
- iDeCoの受給開始年齢と、受け取り可能な期間
- 一時金・年金・併用を加入先が取り扱っているか
- 勤務先の退職金・企業年金をいつどのように受け取る予定か
- 過去に受け取った退職手当等があるか
- 公的年金、給与、事業所得などその年の他の所得
iDeCoの受取方法と税務上の扱い
| 受取方法 | 主な税務上の扱い | 確認すること |
|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得として扱われ、退職所得控除の対象 | 退職金・過去の退職手当等との関係、加入期間、受取年 |
| 年金 | 公的年金等に係る雑所得として扱われ、公的年金等控除の対象 | 公的年金・企業年金など他の年金収入、受取期間、他の所得 |
| 一時金と年金の併用 | 上記の扱いを組み合わせる | 加入先が併用を扱うか、金額・時期・手続き |
iDeCo公式サイトは、受給権が発生する年齢に到達した後、75歳までの間で受給開始時期を選べると案内しています。年金で受け取る場合の期間や、一時金と年金を組み合わせられるかは運営管理機関により異なります。
一時金で受け取る場合: 退職所得控除を確認する
個人型年金規約に基づく老齢給付金を一時金で受け取る場合、国税庁は退職所得として扱うと案内しています。退職所得の金額は原則として、収入金額から退職所得控除額を差し引き、その残額の2分の1を基に計算します。
退職所得控除額は、勤続年数や加入者等期間などにより計算されます。iDeCo一時金と勤務先の退職金を受け取る場合、同じ年かどうかだけでなく、受取順序、過去の退職手当等、各期間、金額などにより個別の計算が必要になることがあります。
インターネット上では「10年」「19年」などの呼び方で紹介されることがありますが、年数だけを根拠に受取日を決めるのは危険です。税制改正や適用関係を含め、国税庁の最新資料と勤務先の退職金制度を確認し、判断が難しい場合は税理士へ相談してください。
年金として受け取る場合: 他の年金収入と合わせて確認する
iDeCoを年金として受け取る場合は、公的年金等に係る雑所得として扱われ、公的年金等控除の対象となります。国民年金、厚生年金、企業年金などの受取額や、給与・事業・不動産など他の所得によって、税額や申告の要否が変わります。
「年金なら必ず非課税」「年金の方が一時金より有利」とは限りません。受取額・受取期間・年齢・他の収入を国税庁の作成コーナー等で入力し、住民税を含む扱いも必要に応じて確認してください。
一時金と年金の併用を考える場合
運営管理機関によっては、iDeCo資産の一部を一時金、残りを年金として受け取る方法を選べます。併用できるか、最低受取額、年金の受取期間、手数料、受取方法の変更可否は金融機関ごとに異なります。
併用は税負担を必ず下げる手段ではありません。退職金、公的年金、家計の資金需要、相続・医療・介護などの事情を含めて、複数の受取方法を比較するための選択肢として検討します。
退職金がある人の確認順
- 勤務先に退職金・企業年金の有無、見込み額、受取予定日、受取方法を確認する
- iDeCoの加入者等期間、残高、受給開始可能な年齢を確認する
- 過去に受け取った退職手当等の有無と受取年を確認する
- 一時金・年金・併用を、本人の他の所得も含めて比較する
- 年数の通称だけで決めず、国税庁の最新資料・税理士の確認を受ける
退職金がない人も確認が必要
自営業者・フリーランス・退職金制度のない会社に勤める方でも、iDeCo一時金の受取時には退職所得の計算が関係します。退職金がないから一時金が最適、または年金が不利とは決められません。iDeCo以外の年金・資産・所得、受取時の生活費を踏まえて確認してください。
受取時期が近い人のチェックリスト
- 受給開始可能な年齢と請求期限を確認した
- 運営管理機関の受取方法・手数料・必要書類を確認した
- 勤務先の退職金・企業年金の資料を確認した
- 過去の退職手当等を含め、受取年を整理した
- 国税庁の最新の計算・申告案内を確認した
- 税額が大きく変わり得る場合、税理士等に相談した
よくある質問
Q. iDeCoと退職金を同じ年に受け取ると損ですか?
A. 同じ年に受け取ることだけで損と決まるわけではありません。退職金・iDeCo一時金の金額、勤続年数・加入者等期間、過去の退職手当等、他の条件を含めて計算する必要があります。
Q. iDeCoの一時金は何年ずらせばよいですか?
A. 特定の年数を空ければ必ず有利になるとはいえません。受取順序・受取年・過去の退職手当等により適用関係が異なります。受取前に国税庁の最新資料と専門家の確認を受けてください。
Q. iDeCoを年金で受け取れば税金はかかりませんか?
A. 年金は公的年金等に係る雑所得として扱われ、他の年金収入や所得を含めて計算されます。必ず非課税になるわけではありません。
Q. 受取方法はいつ決めますか?
A. 受給権が発生した後、加入先の運営管理機関に請求します。受給開始可能な年齢、受取方法、必要書類、請求期限を早めに確認しましょう。
まとめ
iDeCoと退職金の税金は、一時金・年金・併用の選択、退職金や他の年金の有無、受取時期、過去の退職手当等で変わります。通称のルールや一般的なモデル計算だけで決めず、資料をそろえて国税庁の最新情報と加入先の案内を確認し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
主な参照先
- 国税庁: No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 国税庁: No.1500 雑所得
- iDeCo公式サイト: 給付について
- iDeCo公式サイト: 加入資格・掛金・受取方法
- iDeCo公式サイト: よくある質問
本記事は一般的な制度・税務情報です。受取時の税額、退職所得控除の計算、申告の要否は個別の状況で異なります。受取前に国税庁の最新資料、勤務先・加入先の案内を確認し、判断が難しい場合は税理士へ相談してください。
執筆・監修:iDeCo比較ナビ編集部
本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、iDeCo比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。


