最終更新日:2026年5月9日
「iDeCoと老齢年金(国民年金・厚生年金)はどう違うの?」「両方もらえるなら老後はいくらになる?」――公的年金(国民年金・厚生年金)とiDeCoは、どちらも老後資金を作る制度ですが、加入義務・運用方法・受取方法が大きく異なります。本記事ではiDeCoと老齢年金の関係を、厚生労働省・iDeCo公式・国税庁の一次情報を元に2026年版で整理し、老後収入の全体像を解説します。
目次
- 日本の年金制度3階建て|全体像を理解する
- 1階:国民年金(老齢基礎年金)の仕組み
- 2階:厚生年金(老齢厚生年金)の仕組み
- 3階:iDeCo(個人型確定拠出年金)の役割
- iDeCoと老齢年金の違いを徹底比較
- iDeCoと老齢年金の受取シミュレーション
- X実ユーザーの声・口コミ
- iDeCoと老齢年金で得するための3つのポイント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
日本の年金制度3階建て|全体像を理解する
日本の年金制度は3階建て構造と呼ばれます。1階が国民年金、2階が厚生年金、3階がiDeCo・企業型DC・私的年金です。厚生労働省「公的年金制度」が年金財政・将来見通しを公表しており、老後の安心材料として全体像を把握しておくことが重要です。
多くの会社員は1階+2階+3階の3つを組み合わせて老後資金を作っています。iDeCoは「自分で積み立てる3階部分」として位置づけられ、税制優遇を最大限活用できる制度です。
1階:国民年金(老齢基礎年金)の仕組み
国民年金は20歳~60歳まで全国民が加入する公的年金です。日本年金機構の老齢基礎年金によると、満額受給には40年(480か月)の保険料納付が必要で、2026年度の満額は年額約83万円(月約6.9万円)です。
国民年金の特徴
- 20歳~60歳まで全国民が強制加入
- 2026年度保険料:月額16,980円(自営業・フリーランス・学生)
- 満額受給:40年納付で年約83万円(2026年度)
- 受取開始:原則65歳(繰上げ60歳・繰下げ75歳まで可能)
- 運用主体:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国民年金・厚生年金を一括運用
会社員(第2号被保険者)は厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれているため、別途支払いはありません。
2階:厚生年金(老齢厚生年金)の仕組み
厚生年金は会社員・公務員が加入する公的年金で、給与の18.3%(労使折半で個人負担9.15%)を支払います。受給額は「平均報酬額×加入期間×0.5481%」でざっくり計算され、2026年度のモデル世帯(夫婦合計)では月約23万円です。
厚生年金の特徴
- 会社員・公務員(第2号被保険者)が加入
- 給与・賞与に応じた保険料(標準報酬月額の18.3%・労使折半)
- 2026年度モデル受給額:夫婦2人で月約23万円(厚生労働省「年金財政検証」)
- 給与水準が高いほど受給額も高くなる
- 受取開始:原則65歳(繰上げ60歳・繰下げ75歳まで可能)
3階:iDeCo(個人型確定拠出年金)の役割
iDeCoは公的年金(1階・2階)に上乗せする3階部分の私的年金です。iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)が制度概要を公表しており、自分で掛金額を決めて自分で運用商品を選ぶ点が公的年金との大きな違いです。
iDeCoの特徴
- 20歳~65歳まで任意加入(厚生年金加入者は65歳まで・改正で2026年から70歳まで可能予定)
- 掛金上限:会社員(企業年金なし)月23,000円、公務員月12,000円、自営業月68,000円
- 運用商品:投資信託・定期預金・保険から自分で選択(SBI証券・楽天証券・マネックス証券などで口座開設)
- 受取開始:60歳~75歳の任意タイミング(一時金・年金・併用から選択)
- 税制優遇:掛金全額所得控除・運用益非課税・受取時控除(公的年金等控除or退職所得控除)
iDeCoと老齢年金の違いを徹底比較
| 項目 | 国民年金(1階) | 厚生年金(2階) | iDeCo(3階) |
|---|---|---|---|
| 加入義務 | 強制(20-60歳) | 強制(会社員) | 任意 |
| 掛金 | 固定(月16,980円) | 給与の18.3% | 自分で決める |
| 運用 | GPIFが国民全員分を一括運用 | 同上 | 自分で商品を選ぶ |
| 受取金額 | 定額(年約83万円満額) | 給与×加入期間で決まる | 運用次第 |
| 受取開始 | 原則65歳 | 原則65歳 | 60歳~75歳の任意 |
| 税制優遇 | 社会保険料控除 | 社会保険料控除 | 掛金全額所得控除+運用益非課税 |
| 受取時の課税 | 公的年金等控除 | 公的年金等控除 | 一時金は退職所得控除・年金は公的年金等控除 |
iDeCoは公的年金と「重複受給」できます。会社員なら3つすべて、自営業なら国民年金+iDeCoを併用するのが鉄板パターンです。
iDeCoと老齢年金の受取シミュレーション
ケース1:会社員(年収500万円・40年勤務・iDeCo月2.3万円×30年積立)
- 国民年金:年約83万円
- 厚生年金:年約110万円
- iDeCo(年5%運用想定・元本828万円→約1,900万円):65歳から20年で取り崩すと年約95万円
- 合計:年約288万円(月約24万円)
ケース2:自営業(年収400万円・40年加入・iDeCo月6.8万円×30年積立)
- 国民年金:年約83万円
- 厚生年金:なし
- iDeCo(年5%運用想定・元本2,448万円→約5,500万円):65歳から20年で取り崩すと年約275万円
- 合計:年約358万円(月約30万円)
自営業者は厚生年金がないため、iDeCoの掛金上限が大きく設定されています。「自営業はiDeCoを満額活用できれば、会社員より老後収入が多くなる」というのが制度設計の意図です。
X実ユーザーの声・口コミ
iDeCoと公的年金の関係をやっと理解した。1階国民年金・2階厚生年金・3階iDeCo・私的年金。iDeCoは公的年金に「上乗せ」できる任意の制度なんだね。会社員でも入れるのありがたい。
老後資金、公的年金だけだと月23万円が標準モデル。住宅ローン完済済み・夫婦2人でも生活費27万円かかるから月4万円足りない。iDeCo積立しといて本当に正解だった。
自営業はiDeCo月6.8万円まで掛けられる。30年やれば元本2,400万円・年5%運用なら5,500万円。これで国民年金(月7万円)にプラスできる老後資金作れる。
iDeCoは出口戦略がややこしい。一時金で受け取ると退職所得控除、年金で受け取ると公的年金等控除。会社の退職金と合算されるから事前にシミュレーションしないと損する。
iDeCoと老齢年金で得するための3つのポイント
1. ねんきん定期便で老齢年金見込み額を確認
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で、現在加入中の公的年金見込み額を確認できます。50歳以上は将来受取見込み額が記載されており、不足分をiDeCoで補う設計が可能になります。
2. iDeCoの掛金を所得控除で節税しながら積み立てる
iDeCo掛金は国税庁「タックスアンサーNo.1135 小規模企業共済等掛金控除」に基づき全額所得控除されます。会社員(年収500万円・月2.3万円拠出)なら年間約5.5万円の節税効果があります。
3. 受取時は一時金・年金の併用で控除枠を最大活用
iDeCoは60歳以降に「一時金」「年金」「併用」から受取方法を選べます。退職金が多い人は一時金、少ない人は年金が有利になりやすく、両者を組み合わせる「併用受取」が控除枠を最大化する手段になります。
よくある質問(FAQ)
Q. iDeCoと老齢年金は両方もらえますか?
両方もらえます。公的年金(国民年金・厚生年金)は強制加入で、iDeCoは任意の私的年金です。会社員なら3つすべて、自営業なら国民年金+iDeCoを重複受給できます。受取時期も別々に設定可能で、iDeCoだけ60歳から先行して受け取り、公的年金は65歳または75歳まで繰下げる設計もできます。
Q. iDeCoは公的年金の代わりになりますか?
代わりにはなりません。iDeCoはあくまで「上乗せ(3階部分)」です。公的年金(1階・2階)は終身受給ですが、iDeCoは積立額×運用成績で決まり、取り崩し型の場合は寿命より長生きすると尽きてしまいます。両者を組み合わせる前提で設計するのが正解です。
Q. 公的年金が将来減るからiDeCoが必要なんですか?
厚生労働省の財政検証によれば、公的年金の所得代替率は今後30年で50%台まで低下する見通しです。現役時代の手取りに対する年金水準が下がるため、不足分をiDeCo・新NISAなどで自助努力する必要性が高まっています。iDeCoは税制優遇が新NISAより手厚いため、優先順位は高い制度です。
Q. iDeCoで老後資金が公的年金等控除を超えたら課税されますか?
年金受取の場合は公的年金等控除(65歳以上・年金収入330万円未満なら110万円控除)を超えた部分が雑所得として課税されます。iDeCo+公的年金の合計が年330万円以下なら控除枠内に収まりやすく、超える人は一時金との併用受取で退職所得控除も活用するのが定石です。
Q. iDeCoは何歳から始めるべき?
早ければ早いほど有利です。30年積立できる30歳と、20年積立しかできない40歳では、月2.3万円拠出・年5%運用想定で老後資産が約2倍違います。新卒で就職したらすぐに始めるのが理想ですが、何歳でも遅くはなく、50代から始めても所得控除メリットは享受できます。
まとめ|iDeCoと老齢年金で老後収入を3階建てで設計する
iDeCoは公的年金(国民年金・厚生年金)に上乗せできる3階部分の私的年金で、税制優遇が手厚いため老後資金作りの最優先制度のひとつです。会社員なら国民年金+厚生年金+iDeCoの3階建て、自営業なら国民年金+iDeCoの2階建てで月20~30万円の老後収入を目指すのが現実的なゴール設計になります。
まずはねんきん定期便で公的年金の見込み額を確認し、不足分をiDeCoで補う計画を立てることから始めましょう。iDeCoは早く始めるほど複利効果が大きく、20代・30代から開始すれば60歳時点で大きな差がつきます。
参考:本記事の出典・一次情報源
参考資料として、以下の公的機関・公式サイトの情報を参照しています。
- 出典:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)https://www.ideco-koushiki.jp/
- 出典:厚生労働省「公的年金制度の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei01/index.html
- 参考:国税庁「タックスアンサーNo.1135 小規模企業共済等掛金控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm
- 参考:日本年金機構「老齢基礎年金」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html
- 参考:金融庁「iDeCo・つみたてNISAの活用」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
- 参考:松井証券「iDeCo(個人型確定拠出年金)」https://www.matsui.co.jp/service/ideco/
- 参考:SBI証券「iDeCo」https://www.sbisec.co.jp/
※本記事は2026年5月時点の公的機関・各社公式情報をもとに執筆しています。年金額・iDeCo制度詳細は今後の改正で変更される可能性があるため、最新情報は厚生労働省・iDeCo公式サイト等でご確認ください。免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
執筆・監修:iDeCo比較ナビ編集部
本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、iDeCo比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。


