iDeCoと企業型DCの違い【併用できる?】掛金上限・マッチング拠出を比較

iDeCo基礎知識

iDeCoと企業型DC(企業型確定拠出年金)の違いを、会社員向けに先に結論から整理します。企業型DCは会社が用意する制度、iDeCoは自分で金融機関を選ぶ個人型の制度です。2024年12月施行の改正でiDeCoと企業型DCの併用条件は大きく緩和され、企業型DCのみ加入者はiDeCoを月最大20,000円まで掛けられるケースがあります。この記事では、2026年最新の掛金上限・併用条件・マッチング拠出との違い、「自分は併用OKかNG?」の即判定チェックリスト、節税シミュレーション、口座選びまで一気に解説します。

最終更新日:2026年7月18日|iDeCo公式・厚生労働省公開情報をもとに編集部確認

【早見表】企業型DC加入者がiDeCoを併用できる主なケース

企業型DCに加入していても、一定の条件を満たせばiDeCoを併用できます。ただし、掛金は一律ではありません。まず勤務先の制度を確認し、拠出可能額を計算してください。

勤務先の制度iDeCoの併用掛金上限の考え方
企業型DC(マッチング拠出なし)条件を満たせば可能月55,000円から企業型DCの事業主掛金を差し引く。iDeCo自体は月20,000円が上限。
企業型DCとDB等の企業年金がある条件を満たせば可能月55,000円から企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を差し引く。iDeCo自体は月20,000円が上限。
マッチング拠出を利用中同時利用は不可iDeCoを検討する場合は、勤務先に制度変更の可否と影響を確認する。
企業年金のない会社員可能iDeCoは月23,000円が上限。
公務員等可能iDeCoは月20,000円が上限。

申込前に勤務先へ確認する3項目

  1. マッチング拠出を利用しているか:利用中はiDeCoと同時に拠出できません。
  2. 企業型DCが月単位拠出か:年単位拠出を採用している場合は、iDeCoとの併用ができません。
  3. 企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額:この金額によってiDeCoの拠出可能額が変わります。

企業年金に加入している会社員の現行上限は、原則として「55,000円 – 企業型DCの事業主掛金 – DB等の他制度掛金相当額」で計算し、iDeCoは月20,000円を超えません。

制度の細部は、iDeCo公式サイト「加入手続き」iDeCo公式サイト「よくあるご質問」で確認してください。

iDeCoを検討する前に、勤務先の併用条件を確認

マッチング拠出・掛金上限を確認したうえで、運営管理機関を比較してください

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掛金上限【2024年12月改正後の現行ルール】

2024年12月の制度改正により、企業年金に加入する会社員のiDeCo拠出限度額は、企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を合算して判定する仕組みになりました。iDeCoに拠出できる上限は月20,000円ですが、勤務先の掛金が大きい場合は、実際に拠出できる額が小さくなることがあります。

企業型DCに加入している会社員

iDeCoの拠出可能額は、原則として月55,000円 – 企業型DCの事業主掛金 – DB等の他制度掛金相当額で計算します。計算結果が20,000円を超える場合でも、iDeCoの掛金は月20,000円までです。計算結果が5,000円未満の場合は、iDeCoに拠出できません。

企業型DCとDB等の企業年金がある会社員

DB等の企業年金がある場合も、企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を含めて判定します。勤務先によって金額が異なるため、給与明細だけで自己判断せず、人事・総務または制度の案内で確認してください。

企業年金のない会社員・公務員等

  • 企業年金のない会社員:iDeCoは月23,000円が上限です。
  • 公務員等・DBのみの会社員:iDeCoは月20,000円が上限です。
  • 自営業・フリーランス:iDeCoは月68,000円が上限です(国民年金基金との合算)。
  • 専業主婦・主夫など第3号被保険者:iDeCoは月23,000円が上限です。

計算前に確認したいこと

企業型DCの加入者は、マッチング拠出の利用有無、年単位拠出の採用有無、事業主掛金、DB等の他制度掛金相当額を確認してから金額を決めましょう。公式の案内にない個別の勤務先ルールは、人事・総務または加入先の運営管理機関に確認するのが確実です。

改正の全体像はiDeCo改正まとめでも解説しています。

【チェックリスト】iDeCoと企業型DCを併用する前に確認すること

以下は申込可否を自動判定する表ではなく、勤務先に確認するためのチェックリストです。すべてを確認してから、加入先の申込案内に進んでください。

勤務先への確認リスト

確認項目確認する理由
マッチング拠出を利用しているか利用中はiDeCoと同時に拠出できません。
企業型DCが月単位拠出か年単位拠出を採用している場合は併用できません。
企業型DCの事業主掛金はいくらかiDeCoの拠出可能額の計算に必要です。
DB等の他制度掛金相当額があるかある場合は、その額も上限計算に含まれます。
勤務先の手続き窓口と必要書類加入先の案内に沿って、必要な確認・申出を進めるためです。

掛金額はiDeCo公式サイトの案内と勤務先の制度情報を照合して決めます。条件が確認できない段階で口座開設や商品選びを急ぐ必要はありません。

条件を確認できたら、金融機関ごとの手数料・取扱商品・サポートを比較します。iDeCo口座の比較もあわせて確認してください。

iDeCoと企業型DCの違いを一覧表で整理

まず両制度の構造的な違いを表で押さえましょう。「個人で入る/会社で入る」が最大の違いです。

項目iDeCo(個人型)企業型DC(企業型)
運営主体個人が任意で加入会社が制度を導入
掛金の拠出者個人(全額所得控除)会社(マッチング拠出は本人)
運営管理機関自分で証券会社を選ぶ会社が指定
運用商品運営管理機関の商品から選択(30〜40本)会社が選んだ商品(10〜20本程度)
口座管理料原則本人負担(月171円〜)会社が負担するケースが多い
転職時そのまま継続可能移換手続きが必要
受取方法一時金・年金・併用(60歳以降)同左(60歳以降)

共通点は「掛金が所得控除になり、運用益が非課税、受取時も控除あり」という3段階の節税メリット。違いは「お金を出すのが自分か会社か」「商品を選べる範囲」です。

詳しくは厚生労働省「確定拠出年金制度」iDeCo公式サイトでも一次情報をご確認ください。所得控除の仕組みは国税庁「小規模企業共済等掛金控除」でも解説されています。iDeCoの制度概要は金融庁「iDeCoについて」も参照できます。

iDeCoと企業型DCの併用条件【原則併用できるが例外を確認】

2022年10月の改正以降、企業型DCの加入者は、規約に同時加入の定めがなくても原則としてiDeCoに加入できるようになりました。ただし、マッチング拠出を利用している場合、企業型DCが年単位拠出の場合、企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額の合計が上限に達する場合は、併用できない、またはiDeCoの掛金を拠出できないことがあります。

併用前の確認順

  1. 人事・総務に、マッチング拠出と年単位拠出の採用有無を確認する。
  2. 企業型DCの事業主掛金と、DB等の他制度掛金相当額を確認する。
  3. 現行の算定式で拠出可能額を確認する。
  4. 加入先の申込案内に沿って、必要な確認・申出を行う。

マッチング拠出とiDeCoの選び方

マッチング拠出とiDeCoは同時に利用できません。どちらが適しているかは、勤務先の商品ラインナップ、会社の制度、事業主掛金、手数料、本人が選びたい商品によって変わります。単純な掛金額だけで優劣を決めず、勤務先の制度資料と各運営管理機関の公式情報を比べてください。

公式情報

併用できない主なケースと上限の計算方法は、iDeCo公式サイト「よくあるご質問」で確認できます。改正の経緯は厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」を参照してください。

iDeCo併用のメリット・デメリット【2026年版】

メリット

  • 所得控除が増える:iDeCo掛金は全額所得控除。年収500万円・iDeCo月2万円なら年間4.8万円の節税(所得税率10%+住民税10%想定)
  • 低コスト商品を選べる:会社の企業型DC商品が信託報酬1%超でも、iDeCoなら0.1%台の優良ファンドを選べる
  • 運営管理機関を自分で選べる:SBI・楽天・松井・マネックスなど、口座管理料0円の証券会社を選択可能
  • 転職リスクを軽減:iDeCoは個人資産なので、転職してもそのまま継続できる
  • 受取時の控除を最大化:退職所得控除・公的年金等控除の枠を二重に活用しやすい

デメリット・注意点

  • 口座管理料が発生:iDeCoは月171円〜(年2,052円)の手数料が必須。証券会社により口座管理料0円〜数百円の差
  • 60歳まで引き出せない:iDeCoも企業型DCも原則60歳まで引出不可
  • 事業主証明書の手間:会社の人事・総務部門に証明書発行を依頼する必要あり(年1回程度)
  • マッチング拠出と排他:マッチング拠出を選んでいるとiDeCo併用不可
  • 掛金変更は年1回のみ:iDeCo掛金の変更は年1回のみ。ライフプラン変化時に注意

企業型DC加入者がiDeCoに加入する手順

  1. 会社の制度確認:人事・総務に「マッチング拠出を選んでいるか」「会社掛金は月いくらか」「年単位拠出か月単位拠出か」を確認
  2. iDeCo拠出可能額を確認:月55,000円から企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を差し引き、iDeCoは最大月20,000円まで。勤務先の制度情報をもとに確認します。
  3. 運営管理機関(証券会社)を選ぶ:口座管理料0円のSBI・楽天・松井・マネックスから選択。商品ラインナップと手数料で比較
  4. 口座開設申請:WEBで申込→1〜2週間で書類が届く
  5. 事業主証明書の発行:会社の人事・総務に依頼。発行に1〜2週間かかる場合あり
  6. 書類提出→運用開始:運営管理機関に書類を返送→1〜2ヶ月後に初回掛金引落・運用開始

申込から運用開始まで2〜3ヶ月かかるのが一般的。今すぐ始めるつもりでも、初回掛金は数ヶ月先になります。

iDeCo×企業型DC併用の節税効果シミュレーション

年収・拠出額別に、年間でいくら節税できるかをまとめました(所得税率+住民税10%の合算で計算)。

年収合算税率iDeCo月1万円iDeCo月2万円
300万円15%年18,000円年36,000円
500万円20%年24,000円年48,000円
700万円30%年36,000円年72,000円
1,000万円33%年39,600円年79,200円

年収500万円・月2万円拠出なら年間4.8万円の節税。30年積み立てれば節税額だけで144万円。これは運用益とは別に確実に得られるリターンです。企業型DCの会社掛金と合算してもさらに節税効果を高められます。

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つまずきやすいポイント【併用前に確認すべきこと】

掛金額だけで上限を決めない

DB等の他制度掛金相当額がある場合は、企業型DCの事業主掛金だけでは上限を計算できません。勤務先の制度情報を確認してから、iDeCoの掛金額を決めてください。

年単位拠出とマッチング拠出を見落とさない

年単位拠出を採用している企業型DCや、マッチング拠出を利用している場合は、iDeCoとの併用に制約があります。申込みの前に人事・総務へ確認するのが確実です。

受取時の税金は加入時に全体像を確認する

iDeCo・企業型DCを一時金で受け取る場合、退職金との受取順序・受取年・加入期間で退職所得控除の計算が変わります。受取時期が近づいたら、国税庁「退職所得の計算」と勤務先の案内を確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 企業型DCに加入していてもiDeCoに併用できますか?

2022年10月以降、会社の企業型DC規約に記載がなくても原則iDeCoに併用加入できるようになりました。ただし、マッチング拠出を選んでいる場合や、年単位拠出になっている場合は併用不可です。会社の人事部に「マッチング拠出か」「月単位拠出か」を確認してから申し込みましょう。

Q. 2026年時点でiDeCoと企業型DCの掛金上限は月いくらですか?

企業年金に加入している会社員は、月55,000円から企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を差し引いてiDeCoの拠出可能額を計算します。iDeCo自体の上限は月20,000円です。企業年金のない会社員は月23,000円、公務員等は月20,000円が上限です。最新の金額は勤務先の制度情報とiDeCo公式サイトで確認してください。

Q. マッチング拠出とiDeCoはどちらがお得ですか?

マッチング拠出とiDeCoは同時に利用できません。勤務先の商品、事業主掛金、DB等の有無、手数料、本人が選びたい商品によって適した制度は変わります。制度を変更する前に勤務先の案内とiDeCo公式サイトを確認してください。

Q. iDeCoと企業型DCはどちらを優先すべきですか?

会社がマッチング拠出してくれる場合は、まず企業型DCのマッチング拠出を上限まで活用するのがお得です(会社掛金は完全にプラス)。マッチング拠出がない、または会社掛金が少ない場合は、iDeCoで自分で選んだ低コスト商品を運用するのが効率的です。両方の枠が余っているならどちらも併用するのが理想です。

Q. 企業型DCの規約変更がない会社でもiDeCo併用できますか?

2022年10月の制度改正により、規約に「iDeCo同時加入OK」と明記されていなくても原則iDeCoに併用加入できるようになりました。ただし、マッチング拠出を導入していたり、年単位拠出になっている会社では併用できないため、まずは人事・総務部門に「自社の制度はどうなっているか」を確認してください。

Q. 転職するとiDeCoと企業型DCはどうなりますか?

iDeCoは個人資産なので転職しても継続可能。掛金区分(会社員のみ/企業型DCあり等)が変わる場合は、運営管理機関に「加入者種別変更届」を提出します。一方、企業型DCは退職時に「他制度への移換」が必要で、放置すると国民年金基金連合会に自動移換され運用が止まります。退職後6ヶ月以内に手続きしましょう。

Q. iDeCoの掛金は途中で変更できますか?

iDeCoの掛金変更は年1回のみ可能です。変更したい場合は運営管理機関に「掛金額変更届」を提出します。出産・育児・休職などで一時的に拠出が厳しい場合は「拠出停止(運用指図者になる)」も選択でき、再開時に手続きすれば再び拠出できます。

Q. iDeCo×企業型DC「併用条件チェックリスト」で確認すべき項目は?

確認すべき主な項目は、(1)マッチング拠出を利用していないこと、(2)企業型DCが月単位拠出であること、(3)企業型DCの事業主掛金、(4)DB等の他制度掛金相当額、(5)勤務先で必要な確認・申出です。上限額と申込可否は、勤務先の制度情報とiDeCo公式サイトを照合して判断してください。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や運営管理機関の推奨を行うものではありません。掛金上限・控除額・改正内容は2026年5月時点の情報をもとに記載しています。最新の制度内容は厚生労働省・国税庁・iDeCo公式サイトおよび各運営管理機関の公式情報をご確認ください。投資判断は自己責任でお願いします。元本保証はなく、運用結果によって年金資産が減少する場合もあります。

参考・出典:厚生労働省「確定拠出年金制度」国税庁「小規模企業共済等掛金控除」iDeCo公式サイト金融庁「iDeCoについて」国税庁「退職所得の計算」

執筆・監修:iDeCo比較ナビ編集部

本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、iDeCo比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。

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