iDeCoと企業型DCの違い【併用できる?】掛金上限・マッチング拠出を比較

iDeCo基礎知識

iDeCoと企業型DC(企業型確定拠出年金)の違いを、会社員向けに先に結論から整理します。企業型DCは会社が用意する制度、iDeCoは自分で金融機関を選ぶ個人型の制度です。2024年12月施行の改正でiDeCoと企業型DCの併用条件は大きく緩和され、企業型DCのみ加入者はiDeCoを月最大20,000円まで掛けられるケースがあります。この記事では、2026年最新の掛金上限・併用条件・マッチング拠出との違い、「自分は併用OKかNG?」の即判定チェックリスト、節税シミュレーション、口座選びまで一気に解説します。

最終更新日:2026年6月13日|出典:厚生労働省・国税庁・iDeCo公式サイト・金融庁・各運営管理機関公式情報

【早見表】企業型DC加入者がiDeCoを併用できるパターン2026年版

2024年12月改正後、企業型DC加入者のiDeCo併用条件は大きく整理されました。「自分は併用できる?掛金上限は?」を即判断できるよう、全パターンを早見表にまとめます。

あなたの状況iDeCo併用iDeCo掛金上限(月額)
企業型DCのみ加入(マッチング拠出なし)○ 可能55,000円-会社掛金(上限20,000円)
企業型DC+DB加入(マッチング拠出なし)○ 可能27,500円-会社掛金(上限20,000円)
マッチング拠出を利用中× 不可(要切替)iDeCoに乗り換える場合のみ可能
企業型DCなし・企業年金なし(一般的会社員)○ 可能23,000円
公務員・自衛官○ 可能20,000円(2024年12月改正で引き上げ)

※会社掛金が月35,000円以上の場合、iDeCo併用枠が小さくなる、または事実上ゼロになるケースもあります。詳細は本文で解説します(出典:iDeCo公式サイト)。

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掛金上限【2026年1月施行内容を含む最新版】

確定拠出年金の掛金上限は、2024年12月施行の改正で大きく見直されました。さらに2026年1月以降、この合算枠(月55,000円)が実務上も完全に定着し、各金融機関の申込フローでも「2026年版」として案内が整備されています。改正後の最新ルールを職種別に整理します。

① 企業型DCのみ加入の会社員

  • iDeCo掛金上限:月20,000円(年24万円)
  • 条件:企業型DCの会社掛金+iDeCo掛金の合計が月55,000円以内
  • 例:会社掛金が月30,000円 → iDeCoは月20,000円まで(合計5万円・上限内)
  • 例:会社掛金が月40,000円 → iDeCoは月15,000円まで(55,000円-40,000円)
  • 例:会社掛金が月50,000円 → iDeCoは月5,000円まで(55,000円-50,000円)

② 企業型DC+確定給付企業年金(DB)の両方に加入

  • iDeCo掛金上限:月20,000円(年24万円)
  • 条件:企業型DC会社掛金+DB相当掛金+iDeCoの合計が月55,000円以内、かつiDeCoは月27,500円上限枠内
  • 2024年12月改正前は月12,000円が上限でしたが、改正で月20,000円に拡大。年間節税額は最大4.8万円増加(年収500万円・税率20%想定)

③ 企業型DCに加入していない会社員(DBのみ/企業年金なし)

  • 企業年金なし会社員:iDeCo月23,000円(年27.6万円)
  • DBのみ加入の会社員:iDeCo月20,000円(年24万円)※2024年12月改正で月12,000円→月20,000円に拡大

④ 自営業・フリーランス(参考)

  • iDeCo月68,000円(年81.6万円)※国民年金基金との合算

⑤ 公務員・専業主婦(第3号被保険者)

  • 公務員:iDeCo月20,000円(年24万円)※2024年12月改正で月12,000円→月20,000円に引き上げ
  • 専業主婦(第3号):iDeCo月23,000円(年27.6万円)

2026年時点の掛金上限まとめポイント

2027年1月施行予定:iDeCo拠出上限の大幅引き上げ

  • 企業年金なし会社員のiDeCo上限:月23,000円 → 月62,000円(約2.7倍に拡大予定)
  • 企業型DC加入者・公務員等も含め全加入者の上限が引き上げ予定
  • 施行後は節税効果が大幅アップ。今のうちに口座開設して2027年からフル活用できる準備を
  • 出典:厚生労働省「確定拠出年金制度」

改正の全体像はiDeCo改正まとめでも詳しく解説しています。

【チェックリスト】iDeCo×企業型DC併用OK/NGを3分で判定

「自分は企業型DC加入者だけどiDeCoを始められる?」——以下のチェックリストで即判定できます。NG該当がゼロならすぐ申し込めます。

iDeCo×企業型DC 併用OK確認チェックリスト

チェック項目OK条件NGの場合の対処
マッチング拠出を利用していない未利用 → OK停止手続き後にiDeCo申込可能
企業型DCが月単位拠出である月単位 → OK年単位拠出の会社は制度変更が必要(即対応困難)
会社掛金が月55,000円未満55,000円未満 → OK(iDeCo拠出枠あり)月55,000円以上だとiDeCo拠出枠ゼロ
DBを含む場合は会社掛金+DB相当が月27,500円未満27,500円未満 → OK超える場合はiDeCo掛金が減額(0円になる場合も)
事業主証明書を会社から取得できる取得可能 → OK原則発行義務あり・人事に申請すれば対応してもらえる

※チェック項目がすべてOKなら、いますぐiDeCo申込を進められます。会社掛金の金額は給与明細の「確定拠出年金」欄または人事システムで確認できます。

このチェックリストで「全部OK」だった人は、次のステップとして運営管理機関(証券会社)を選んで申し込むだけです。口座管理料が0円で低コスト商品が充実しているマネックス証券・松井証券・SBI証券・楽天証券が人気です。

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iDeCoと企業型DCの違いを一覧表で整理

まず両制度の構造的な違いを表で押さえましょう。「個人で入る/会社で入る」が最大の違いです。

項目iDeCo(個人型)企業型DC(企業型)
運営主体個人が任意で加入会社が制度を導入
掛金の拠出者個人(全額所得控除)会社(マッチング拠出は本人)
運営管理機関自分で証券会社を選ぶ会社が指定
運用商品運営管理機関の商品から選択(30〜40本)会社が選んだ商品(10〜20本程度)
口座管理料原則本人負担(月171円〜)会社が負担するケースが多い
転職時そのまま継続可能移換手続きが必要
受取方法一時金・年金・併用(60歳以降)同左(60歳以降)

共通点は「掛金が所得控除になり、運用益が非課税、受取時も控除あり」という3段階の節税メリット。違いは「お金を出すのが自分か会社か」「商品を選べる範囲」です。

詳しくは厚生労働省「確定拠出年金制度」iDeCo公式サイトでも一次情報をご確認ください。所得控除の仕組みは国税庁「小規模企業共済等掛金控除」でも解説されています。iDeCoの制度概要は金融庁「iDeCoについて」も参照できます。

iDeCoと企業型DCの併用条件【2022年10月以降ほぼ無制限】

2022年9月以前は、会社の企業型DC規約で「iDeCo同時加入OK」と明記されていなければ併用できませんでした。2022年10月の改正で、規約の記載がなくても原則iDeCo加入が可能に。これにより、企業型DC加入者の選択肢が大きく広がりました(出典:厚生労働省「確定拠出年金制度」)。

併用するための主な条件

  • 合算上限の遵守:企業型DC会社掛金+iDeCo掛金が月55,000円以内(DBあり時は月27,500円枠内)
  • マッチング拠出を選んでいないこと:マッチング拠出(本人が会社掛金に上乗せ)を利用中はiDeCoと併用不可
  • 事業主証明書の提出:iDeCo申込時に勤務先から「事業主の証明書」を発行してもらう
  • 掛金が各月定額:企業型DCの掛金が月単位で固定されていること(年単位拠出は併用NG)

マッチング拠出 vs iDeCoの選び方

マッチング拠出が利用できる会社では「マッチング拠出/iDeCo」の二択になります。どちらが有利かは次の基準で判断しましょう。

  • マッチング拠出が有利:会社掛金が月27,500円以下のとき(マッチング拠出の上限が大きく取れる)
  • iDeCoが有利:会社掛金が月27,500円超のとき/低コスト商品を自分で選びたいとき/運営管理機関を自分で選びたいとき
  • 両方使えない場合:マッチング拠出を選択中はiDeCo併用不可。乗り換えも可能

iDeCo併用のメリット・デメリット【2026年版】

メリット

  • 所得控除が増える:iDeCo掛金は全額所得控除。年収500万円・iDeCo月2万円なら年間4.8万円の節税(所得税率10%+住民税10%想定)
  • 低コスト商品を選べる:会社の企業型DC商品が信託報酬1%超でも、iDeCoなら0.1%台の優良ファンドを選べる
  • 運営管理機関を自分で選べる:SBI・楽天・松井・マネックスなど、口座管理料0円の証券会社を選択可能
  • 転職リスクを軽減:iDeCoは個人資産なので、転職してもそのまま継続できる
  • 受取時の控除を最大化:退職所得控除・公的年金等控除の枠を二重に活用しやすい

デメリット・注意点

  • 口座管理料が発生:iDeCoは月171円〜(年2,052円)の手数料が必須。証券会社により口座管理料0円〜数百円の差
  • 60歳まで引き出せない:iDeCoも企業型DCも原則60歳まで引出不可
  • 事業主証明書の手間:会社の人事・総務部門に証明書発行を依頼する必要あり(年1回程度)
  • マッチング拠出と排他:マッチング拠出を選んでいるとiDeCo併用不可
  • 掛金変更は年1回のみ:iDeCo掛金の変更は年1回のみ。ライフプラン変化時に注意

企業型DC加入者がiDeCoに加入する手順

  1. 会社の制度確認:人事・総務に「マッチング拠出を選んでいるか」「会社掛金は月いくらか」「年単位拠出か月単位拠出か」を確認
  2. iDeCo拠出可能額を計算:月55,000円-会社掛金=iDeCo拠出可能額(最大2万円)。DBありなら月27,500円-会社掛金
  3. 運営管理機関(証券会社)を選ぶ:口座管理料0円のSBI・楽天・松井・マネックスから選択。商品ラインナップと手数料で比較
  4. 口座開設申請:WEBで申込→1〜2週間で書類が届く
  5. 事業主証明書の発行:会社の人事・総務に依頼。発行に1〜2週間かかる場合あり
  6. 書類提出→運用開始:運営管理機関に書類を返送→1〜2ヶ月後に初回掛金引落・運用開始

申込から運用開始まで2〜3ヶ月かかるのが一般的。今すぐ始めるつもりでも、初回掛金は数ヶ月先になります。

iDeCo×企業型DC併用の節税効果シミュレーション

年収・拠出額別に、年間でいくら節税できるかをまとめました(所得税率+住民税10%の合算で計算)。

年収合算税率iDeCo月1万円iDeCo月2万円
300万円15%年18,000円年36,000円
500万円20%年24,000円年48,000円
700万円30%年36,000円年72,000円
1,000万円33%年39,600円年79,200円

年収500万円・月2万円拠出なら年間4.8万円の節税。30年積み立てれば節税額だけで144万円。これは運用益とは別に確実に得られるリターンです。企業型DCの会社掛金と合算してもさらに節税効果を高められます。

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つまずきやすいポイント【併用前にチェックすべき5項目】

iDeCo×企業型DC併用で「損した」「想定と違った」となるパターンを5つにまとめました。事前にチェックしておきましょう。

① 会社掛金がそもそも月35,000円超のケース

合算枠は月55,000円なので、会社掛金が月35,000円を超えるとiDeCo拠出枠は2万円未満。たとえば会社掛金が月45,000円の人はiDeCoに月10,000円までしか拠出できません。給与明細または会社の人事システムで会社掛金額を必ず確認してください。

② 年単位拠出を選んでいる会社

企業型DCの掛金が「年単位拠出(特定月にまとめて拠出)」になっている会社では、iDeCo併用ができません。月単位拠出への変更が必要ですが、これは会社全体の制度変更となるため即対応は難しいです。

③ マッチング拠出を選んでいる場合は乗り換え必要

マッチング拠出をすでに選んでいる人は、iDeCo併用ができません。「マッチング拠出停止→iDeCo申込」の順で乗り換えれば併用できます。ただし、マッチング拠出を停止した拠出分はそのまま運用継続となります。

④ 公務員・自衛官は掛金区分が異なる

公務員・自衛官は2024年12月改正で月12,000円→月20,000円に引き上げられました。第2号被保険者の中でも掛金区分が異なるため、運営管理機関の申込書で「公務員等共済加入者」を正しく選択することが重要です。

⑤ 60歳以降の受取時は退職所得控除の重複に注意

iDeCo・企業型DCともに、一時金で受け取る場合は退職所得控除が使えます。ただし会社の退職金と同じ年に受け取ると控除枠を共有することになり、税負担が増えるケースも。5年ルール・19年ルールを理解し、受取タイミングを設計しましょう。退職所得控除の計算方法は国税庁「退職所得の計算」でご確認ください。

iDeCoが向いているケース・企業型DCが向いているケース

iDeCo(個人型)が向いている人

  • 自営業・フリーランス(月68,000円まで拠出可能)
  • 企業型DCがない会社員(月23,000円が単独上限)
  • 低コスト商品(信託報酬0.1%台のオルカン・S&P500等)を自分で選びたい人
  • 運営管理機関を自分で選びたい人(口座管理料0円の証券会社へ)
  • 転職予定がある人(個人資産なので継続可)

企業型DCが向いているケース

  • 会社がマッチング拠出してくれる場合(会社負担分はそのまま得)
  • 会社が口座管理料を負担している場合
  • 会社の選定商品に低コストファンドが含まれている場合

両方併用が向いているケース

  • 会社掛金が少なめ(月3万円以下)でiDeCoの拠出余力がある
  • 企業型DCの商品ラインナップが微妙でiDeCoで補完したい
  • 節税枠を使い切りたい高収入の人

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よくある質問(FAQ)

Q. 企業型DCに加入していてもiDeCoに併用できますか?

2022年10月以降、会社の企業型DC規約に記載がなくても原則iDeCoに併用加入できるようになりました。ただし、マッチング拠出を選んでいる場合や、年単位拠出になっている場合は併用不可です。会社の人事部に「マッチング拠出か」「月単位拠出か」を確認してから申し込みましょう。

Q. 2026年時点でiDeCoと企業型DCの掛金上限は月いくらですか?

2024年12月改正後・2026年現在の上限は、企業型DCのみ加入の会社員でiDeCo月20,000円(合算で月55,000円以内)、企業型DC+DBの両方に加入の場合もiDeCo月20,000円(合算で月55,000円以内)です。合算枠の月55,000円は2026年1月以降も変わらず適用されています。会社掛金が大きい人はiDeCoの拠出可能額が減るため、人事部で会社掛金額を確認してから上限を計算してください。

Q. マッチング拠出とiDeCoはどちらがお得ですか?

会社掛金が月27,500円以下ならマッチング拠出が有利(拠出枠を大きく取れる)、月27,500円超ならiDeCoが有利になりやすいです。また、低コスト商品を自分で選びたい・運営管理機関を選びたい場合はiDeCoの方がメリットが大きくなります。マッチング拠出からiDeCoへの乗り換えも可能です。

Q. iDeCoと企業型DCはどちらを優先すべきですか?

会社がマッチング拠出してくれる場合は、まず企業型DCのマッチング拠出を上限まで活用するのがお得です(会社掛金は完全にプラス)。マッチング拠出がない、または会社掛金が少ない場合は、iDeCoで自分で選んだ低コスト商品を運用するのが効率的です。両方の枠が余っているならどちらも併用するのが理想です。

Q. 企業型DCの規約変更がない会社でもiDeCo併用できますか?

2022年10月の制度改正により、規約に「iDeCo同時加入OK」と明記されていなくても原則iDeCoに併用加入できるようになりました。ただし、マッチング拠出を導入していたり、年単位拠出になっている会社では併用できないため、まずは人事・総務部門に「自社の制度はどうなっているか」を確認してください。

Q. 転職するとiDeCoと企業型DCはどうなりますか?

iDeCoは個人資産なので転職しても継続可能。掛金区分(会社員のみ/企業型DCあり等)が変わる場合は、運営管理機関に「加入者種別変更届」を提出します。一方、企業型DCは退職時に「他制度への移換」が必要で、放置すると国民年金基金連合会に自動移換され運用が止まります。退職後6ヶ月以内に手続きしましょう。

Q. iDeCoの掛金は途中で変更できますか?

iDeCoの掛金変更は年1回のみ可能です。変更したい場合は運営管理機関に「掛金額変更届」を提出します。出産・育児・休職などで一時的に拠出が厳しい場合は「拠出停止(運用指図者になる)」も選択でき、再開時に手続きすれば再び拠出できます。

Q. iDeCo×企業型DC「併用条件チェックリスト」で確認すべき項目は?

確認すべき主な5項目は、(1)マッチング拠出を利用していないこと、(2)企業型DCが月単位拠出であること、(3)会社掛金が月55,000円未満であること、(4)DBを含む場合は会社掛金+DB相当が月27,500円未満であること、(5)会社から事業主証明書を取得できること、です。すべてOKであればすぐにiDeCo申込を進められます。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や運営管理機関の推奨を行うものではありません。掛金上限・控除額・改正内容は2026年5月時点の情報をもとに記載しています。最新の制度内容は厚生労働省・国税庁・iDeCo公式サイトおよび各運営管理機関の公式情報をご確認ください。投資判断は自己責任でお願いします。元本保証はなく、運用結果によって年金資産が減少する場合もあります。

参考・出典:厚生労働省「確定拠出年金制度」国税庁「小規模企業共済等掛金控除」iDeCo公式サイト金融庁「iDeCoについて」国税庁「退職所得の計算」

執筆・監修:iDeCo比較ナビ編集部

本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、iDeCo比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。

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