iDeCo 60歳以降の受取タイミングを最適化する方法【2026年版】税負担を最小化するコツ

運用・出口戦略

iDeCoは積み立てるだけでなく、受け取り方・タイミングの設計が税負担を大きく左右します。同じ残高でも、受取タイミングを間違えると数十万円〜数百万円の税金差が出ることもあります。

この記事では、60歳以降のiDeCo受取戦略を具体的に解説します。

iDeCoはいつから受け取れる?

原則として60歳から75歳までの間に受け取りを開始する必要があります(2022年以降のルール)。

条件受取開始可能年齢
加入期間10年以上60歳から
加入期間8年以上10年未満61歳から
加入期間6年以上8年未満62歳から
加入期間4年以上6年未満63歳から
加入期間2年以上4年未満64歳から
加入期間1カ月以上2年未満65歳から

受取の上限は75歳です(2022年4月改正)。

受取方法は3種類

① 一時金(退職所得として課税)

全額を一括で受け取る方法。退職所得控除が適用されるため、控除額内であれば税金がゼロになります。

退職所得控除額(勤続年数=iDeCo加入年数で計算):

  • 20年以下:40万円 × 年数(最低80万円)
  • 20年超:800万円 + 70万円 × (年数 − 20年)

例:加入30年の場合 → 800万円 + 70万円×10年 = 1,500万円まで非課税

② 年金(雑所得として課税)

分割して受け取る方法(5〜20年間)。毎年受け取った金額が「公的年金等に係る雑所得」として課税されます。公的年金等控除が使えます。

③ 一時金+年金の併用

一部を一時金・残りを年金で受け取る「分割受取」も選択できます(証券会社によって異なる)。

最大の落とし穴:退職金との「5年ルール」

2022年の税制改正で、iDeCoの一時金と会社の退職金を同じ年に受け取ると、退職所得控除の重複が制限されることになりました。

具体的には:

  • iDeCo一時金受取 → 退職金受取(5年以内):iDeCoの控除額が制限される
  • 退職金受取 → iDeCo一時金受取(19年以内):iDeCoの控除額が制限される

このルールを回避する最も簡単な方法が「タイミングをずらす」ことです。

受取タイミング最適化:具体的な戦略

戦略① 退職翌年以降にiDeCoを一時金受取

60歳で定年退職・退職金受取 → 65歳(5年後)にiDeCoを一時金受取

これにより、iDeCoの退職所得控除を満額使えます。5年間はiDeCoを「運用継続」モードにしておくことができます。

戦略② 会社退職時とiDeCoを同時に受取(コントロール不可の場合)

退職金とiDeCoを同年に受け取る場合は、退職金の控除を先に使い、iDeCoの超過分に税がかかる計算になります。退職金が大きい方は、iDeCoを年金受取(分割)に切り替えることで節税できます。

戦略③ iDeCoを70〜75歳まで受取を遅らせる

働いている間は収入があるため、iDeCoを受け取ると税率が高くなる場合があります。退職後・収入が減った年度(70〜75歳)まで受取を遅らせることで、実効税率を下げられます。ただし、75歳が上限です。

受取タイミング別:税負担シミュレーション

シナリオiDeCo残高退職所得控除課税される額税負担目安
加入30年・一時金のみ800万円1,500万円0円0円
同上・退職金と同年受取(退職金3,000万)800万円制限あり約400万円約60万円
加入30年・年金受取(20年分割)800万円公的年金控除収入により異なる年5〜15万円

iDeCo受取で使える便利なシミュレーション

国民年金基金連合会の公式サイトでは、iDeCoの受取税金シミュレーターが提供されています。ご自身の状況に合わせて試算してみてください。

また、詳しい税金の計算方法はiDeCoの受取時の税金計算方法【詳細解説】もあわせてご覧ください。

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Q. iDeCoはいつから受け取れますか?

原則60歳から受け取れます(加入期間10年以上の場合)。最大75歳まで受取を遅らせることができます。

Q. iDeCoと退職金を同じ年に受け取ると損ですか?

2022年の税制改正で、同年受取の場合は退職所得控除が制限される場合があります。退職金受取から5年以上後にiDeCoを一時金受取すると、それぞれ独立して控除を使えるため有利です。

Q. iDeCoを75歳より遅く受け取ることはできますか?

できません。75歳が受取の上限です(2022年4月以降のルール)。75歳になるまでに受取を開始する必要があります。

まとめ:受取戦略が老後資産の明暗を分ける

iDeCoは「貯める」だけでなく「受け取り方」の設計が重要です。退職金との兼ね合いを考慮し、5年ルールを理解した上で最適なタイミングを選びましょう。迷った場合はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することも有効です。

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